イルカやクジラが浜に乗り上げてしまうことを座礁といいます。英語では、ストランディングです。
原因ははっきりと分かっていませんが、たくさんのイルカが一度に浜に乗り上げる集団座礁は、その地域の磁場(*)と強く関係しているという説が有力です。
(*)地球は大きな電磁石のようなものです。磁石の周りには磁力が働きますが、そのような空間を磁場と言います。多くの生物は、地球が持つ磁気(地磁気) を感じることができます。クジラやイルカ、ウミガメなどの海生動物や渡り鳥は、地磁気によって方向を定めて行動しています。コンパスの針が南北をさすのも、地磁気のせいです。私たちもコンパスを使って地磁気で方向を定めていますね。地磁気は、絶えず変化していますが、磁気嵐やオーロラが発生した時は、特に激しく変化します。
日本セトロジー研究会は毎年座礁した海の動物の数を発表しています。
日本沿岸で座礁したクジラ類の数は2005年以降ずっと200頭を超えています。過去10年の間に座礁したクジラ類の数は1.6倍ほどに増えています。2009年は208件でした。
2008年は特に多く、260頭を超えました。2008年春は、世界の海、イギリス、マダカスカル、セネガル、日本などにおいてたくさんの座礁がありました。
日本で起きた座礁については、インターネットの「海棲哺乳類情報データベース」に詳しくのっています。