人間がつかまえたり、殺したりすること―1.日本のイルカ猟

 日本ではイルカを捕まえたり殺したりしています。殺して肉にして販売するか、日本そして世界の水族館へ売ります。イルカ類の展示はビッグ・ビジネスです。

 海外ではイルカをつかまえて水族館で見せることは残酷だとして、いろいろな変化が起こってきています。

 1つは、捕まえて水族館で見せるのではなく、海にいってイルカを見ようというふうにかわってきました。クジラを見るのは、ホェール・ウォチング、イルカを見るのはドルフィン・ウォッチングといいます。

 捕るのをやめて、ウォッチングしようと変わった場所としては、ノルウェーや、ポルトガル沖にあるアゾレス諸島などがあります。

 アメリカでは、水族館ではなく、海で見たいという人がたくさん増えて、ビジネスとしても成り立っています。

日本で行なっているイルカ猟と捕鯨

イルカの語源は、「ちのか」です。漢字で書くと「血臭」で、意味は、「血の臭いのする魚」です。モリをイルカに突き刺したりして殺し、周りが血の臭いになったことからと考えられています。また、イルカは漢字で書くと、うみのぶた(海豚)と書きます。これは中国での名称がそのまま日本でも使われるようになったものです。

 
知らない人が多いのですが、日本ではイルカをとって食べています。

 マダライルカオキゴンドウコビレゴンドウハナゴンドウ、カマイルカ、バンドウイルカスジイルカ、イシイルカなどのイルカや、クジラ類(ツチクジラやミンククジラなど)です。

 今でも日本ではイルカをとって殺しています。とったイルカの中で、見栄えのいいイルカは水族館に売ります。このことは世界から批判されています。

 特にたくさんのイルカを殺したのは、長崎県壱岐で、1970年代後半から1980年代前半です。イルカが魚を食べてしまうので漁業が脅かされると考え、イルカを殺すことにしたのです。

 1977年には934頭、1980年には1819頭も殺しました。 

現在、世界では、魚の減少は、人間がたくさんとりすぎたことが原因だとされています。イルカは魚を食べますが、一番魚を食べているのは人間です。イルカは、人間が魚を食べるずっと前から、海で魚を食べて生きてきました。たとえイルカが魚を食べるにしても、殺さないですむ方法はないのでしょうか?

 世界を見れば、アラスカのブリストル湾では、サケの漁師たちは、音波を出す機械を使ってシロイルカが近寄らないようにしました。イルカを追い払うという方法もあるのですね。

 今、世界では、一部の国を除いてイルカは殺していません。また水族館でイルカを見せることも残酷だとして世界では野生のイルカを捕獲することも減ってきています。

 

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